サイバー犯罪者のマネーロンダリング Part 3 : 悪用されるデジタル決済システム

How Digital Payment Systems Like PayPal Are Used for Money Laundering | Part 3  by  Jennifer Carole / 2018年3月21日 より

サイバー犯罪者がPayPalや他のデジタル決済システムを使って資金洗浄をしている事が内密な調査によりわかりま した。
デジタル決済システムでの洗浄では、洗浄の制限にかからないように小額を複数回支払う事で回避するマイクロ洗浄手法 が使用されることがよくあります。
金融業界では、デジタル決済方法がどのようにグローバル・バンキングに影響を与えるかを検討しています。

2017年4月から、サイバー犯罪のマクロ経済とサイバー犯罪者が犯行で得た収益を洗浄し、現金化する手口について、独立した学術研究を開始しました。

これは、私たちBromiumがスポンサーになった9ヶ月間の調査の一部であり、Into the Web of Profit(収益のWebへ)という報告論文に掲載されました。完全な調査結果は、英国サリー大学の犯罪 学上級講師であるMike McGuire博士が4月にRSAカンファレンスで発表する予定です。

今回Part 3では、PayPalやeBayのようなサイトを使って現金を清掃するマイクロ・ロンダリングについてお話します。Part 1Part 2もご覧ください。

デジタル通貨をどのように使用していますか?

オンラインフォーラムでの内密な情報収集や、専門家やサイバー犯罪者へのインタビューより、サイバー犯罪者の約10%が PayPalを使ってお金を洗浄することが分かっています。 さらに35%が、Skrill、Dwoll、Zoom、M-Pesaなどのモバイル決済システムを含む、他のデジタル決済システムを使用しています。

何千もの小額の電子決済がPayPalのようなプラットフォームを通じて行われている「マイクロ・ロンダリング」のよう な方法はより一般的になり、不正を検出する事もより困難になっています。 もう一つ一般的な方法は、eBayのようなサイトを介したオンライン取引を使用して、洗浄を容易にしていることです。

McGuire博士は次のように結論付けています。「サイバー犯罪者によるデジタル決済システムの使用が拡 大していることは、世界の金融システムに重大な問題を引き起こしています。 従来、充分に確立された銀行システムの中で追跡可能だった不正な収益は、現在、その管轄区域以外の領域に流入しています。

「デジタル決済システムは、仮想通貨やオンラインバンキングなど他のデジタルリソースと組み合わせると、洗浄するには最も効果的です。」と彼は説明します。 これは資金の流れを隠蔽し、法執行機関や金融監督当局を困惑させています。

伝統的な銀行業界でも暗号化に取り組んでいます

世界の金融市場もマネーロンダリングを非常に認識していますが、一部の専門家は、銀行業界の主要各行もデジタルによる代 用方法に移行するために組織化されたアプローチが必要であると考えています。今月初めにシャドウ・オープン・マーケット 委員会で発表された新しい論文で、Rutgers大学のマイケル・ボルド教授は、ダートマス大学のAndrew Levin教授との共同研究で、中央銀行のデジタル通貨(CBDC)を開始するメリットについて説明しています(調査内容の要約)。

金融業界は、世界の経済規制や慣行に沿った形で暗号化通貨を取り込もうとしていますが、その複雑さや暗号化に関する課題 により、当面の間は解決しそうにない様相です。

サイバードラッグ戦争を終わらせる – 私たちの使命です

私たちは、サイバーセキュリティが現在使われている方法を変えるられるベストプラクティスとしてまとめる試みを、Cyber Drug Wars(サイバードラッグ戦争)として昨年初めから発信してきました。エンドユーザーが最後の 防衛線(エンドポイント)として責任を負うことが多く、そのアプローチは機能していないことがわかります。ランサムウェ アの被害に遭い、身代金を内緒で支払う事でセキュリティ対策規定をバイパスしているセキュリティ担当者から、侵害を回避 するため制限事項を増やすことと革新的な業務の推進の狭間で身動きできないCISOまで、マイクロ仮想化でアプリケー ション隔離がサポートされているため、検出に頼らず保護することができます。メール 、フィッシングリンク、および文書ファイルの保護について詳しく知りたい場合は是非ご連絡ください。


Dr. Mike McGuireについて

Michael McGuire博士は、2012年9月に犯罪学の上級講師として着任しました。McGuire博士は、London School of EconomicsでPhilosophy&Scientific method を学び最初の学位を取得後、Kings College Londonで博士号を取得しました。彼はその後、技術と司法制度の研究の中で国際的に知られるようになり、これらの分 野で広く活躍しています。

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